じんましんとは、強いかゆみとともに、皮膚が虫に刺されたように赤く腫れる症状を指します。一般的には、時間が経つと、腫れた箇所が跡かたなく消えていきます。
15~20%の人は、一生のうちに一度は経験すると言われており、珍しい症状ではありません。
症状が現れる要因が分かれば、除去・回避を行うことができます。
しかし、何が刺激になるかは、その時の体調や発生要因の組み合わせによっても変化するため、7~8割が直接的な原因を特定することが、困難となっています。
じんましんが起きる原因
じんましんはアレルギー物質や物理的な刺激が原因になっていますが、それらのうちどれが原因になっているかは人によって様々です。
原因の要素として考えられるものは、以下のようなものがあります。
- 卵、牛乳、リンゴなど食べ物
特定の食べ物を食べることによって、じんましんが現れることがあります。
その一方で、同じ食べ物を摂取しても、材料やその日の体調によって症状が出たり、出なかったりすることもあります。
こうした場合は、食べ方や量などから影響を受けることが多くなっており、原因の特定が困難となっています。 - 合成着色料、保存料、酸化防止剤の食品添加物
- ハウスダスト、カビ、花粉
- 温熱、寒冷など温度の変化
寒暖差などの刺激によって、じんましんが出ることもあります。
冷風が直接肌に当たるなど、日常生活のなかの些細な刺激がじんましんの引き金となることもあります。
普段から、寒暖差を作らない、体を冷やさないなどの対策によって、未然に発生を防ぐことができるでしょう。 - 運動による汗
通常のじんましんと異なり、3~5mm程度の点状の赤い発疹が出るという特徴があります。
辛い食べ物や熱い食べ物が刺激となって発症する場合もあり、かゆみ以外に、チクチクとした痛みを伴うこともあります。
また、普段あまり汗をかかない人の方が発症するケースが多い傾向にあります。 - ストレス
精神的なストレスは、じんましんを悪化させる要因の一つとなることがあります。
職場環境が変化し、ストレスが増えることで、じんましんが出やすくなることもあれば、ストレスが減り、じんましんが出にくくなることもあります。
また、じんましんが毎日のように現れる場合は、心身のストレスによって症状が悪化するケースが多くみられています。
治療法
じんましんの一般的な治療法は抗ヒスタミン剤の内服が中心となります。
抗ヒスタミン剤はじんましんの原因物質であるヒスタミンを出しにくくし、出てきたヒスタミンも血管に行き届かないように抑止する薬です。
抗ヒスタミン剤は、じんましんの種類によらず、効果が期待できます。
症状が強い場合には、抗ヒスタミン剤の内服に加え、注射などを行うことが多く、軟こうなどの塗布も併用します。